健康と快適さと…
(2021年03月11日)こんにちは!!
今日は東日本の震災より
ちょうど10年
比較的被害の少ない地域ではありましたが
千葉県柏市で震度5強
あの時の揺れと恐怖はいまだに忘れる事ができません
私も建築士の端くれとして
少しでも
地震に強い建物を広めていく事を目指し
自分のポジションで頑張って行きます!!
さて
そろそろワンズキューボの新築が始まり
慌ただしくなってきております
他にも新築のお問合せがちょこちょこ続いており
嬉しい悲鳴であります!!
そこで今回は
当社で毎月発行している
ニュースレター「ゆたか」で書きました内容を
再編集してお届けします!!
(手抜きではありません…(汗))
********************
さて、お伝えしていた通り、昨年末最後の土日で、注文住宅の現場完成見学会を行いました。
二日間ともお天気が良かったので、良好な結果にはなったのですが、
初日のお昼の時点での室温が1階は20℃、2階は22℃程度。
見学会は18時頃終了、シャッターを全て閉めて帰り、翌日9時に現場に行くと、
1階は19℃、2階は熱が溜まったのか22℃のまま、
もちろんこの間暖房は付けておりません、無暖房でもこの室温です!
正直、見学会開催中の2階は暑いくらいだったので、2階の窓を少し開けてるくらいでした!!
まぁ、これは「まぐれ」ではありません。
過去のお客様には申し訳なく思う事もありますが、
当社は1棟やる毎に設計も施工も毎回進化しており、
最新の住宅が当社の最高性能の住宅となります。
これは、規格住宅のワンズキューボでも少しづつですが性能は向上してます。
事前の設計の段階で性能計算を行い、目標を立て、現場で木村棟梁と相談し、
完成したら色々チェックをし、データを取って結果を判断する、
という事を毎回繰り返す事で、精度がどんどん向上していきます。
私が宮崎建設に入社して18年が経ちましたが、
そのうち15年くらいは「暖かい家をつくる!」という事に注力してきました。
真冬で天気の良い日に無暖房で室温20℃以上あるという事は何より快適!。
木造在来工法で当社の仕様を鑑みた時に、性能的には一つの到達点に行きついたかと思います。
…なのですが…
上記の表は私の様な「快適性能」を追求する設計者には有名なグラフで、
近畿大学の岩前教授という方が2万人以上を対象に調査したもので、
簡単に説明すると、断熱性能が低い家から断熱性能が高い家に建替えた時に、
いろんな疾患が改善しましたよ!というグラフで、
建物の断熱性能と健康の関係性を示しています。
ここに出ている「断熱グレード5」という性能から読み解くと、
細かい説明は省きますが「最低室温を15℃以上だと健康な状態を維持できそうだ」
という事が分かりました。うちの建物は最近のデータでいくと、
前日22時から翌朝7時までの温度低下が2~3℃程度なので、
充分15℃以上というのは達成できそうです!!
自信をもって「快適で健康な家」と言いたいのですが、
昨年末の見学会での事、当社奥村が「リビングは暖かいけど廊下の床が冷たい…💦」
と言い出し『そんなこたぁねぇだろぅ😤』と心の声を漏らしながら
「表面温度計」で測ってみると、
室温20℃の時、日の当たるリビングの床温度は20℃に対し、
日の当たらない廊下の床温度は18℃でした。
設計者のエゴからすると『18℃もあれば充分あったかいだろうYO~』
と言いたいのですが、冷たいと感じる人がいるのは事実。
当社体験館S-houseで打合せの際もよく「北側キッチンの床が冷たい」
と言われていた事もあるので、この度チョッと調べてみました所
「アメリカ空調学会」という所が調査した「頭と足下の温度差と不快さの関係」
を調査したグラフが見つかりました。
*新建新聞社「あたらしい家づくりの教科書」より抜粋
ここには「推奨範囲~3℃」と出ており、
温度差2℃だと不快に感じる人は3%にも満たない事になります。
『それ見ろ!大丈夫じゃね~か~』と思いつつも、
何度も言いますが冷たいと感じる人がいるのは事実。
それも奥村だけでなく、当社お施主様でもあるパートスタッフKさんもそんな事言うし、
昨年お引渡しした「世界基準の断熱性能の家」に住む奥様も
「床暖かいですか?」と聞くと首を傾げられ
「床暖あった方が暖かかった」と言われる始末…。
『ぐむむむっ…』という思いを押し殺し整理してみると
「暖房設備を一切使わずに室温と床表面温度の差が0~3℃に納まっているのは素晴らしい断熱性能であるというのは事実。
そしてデータとしても不快と感じる人は数パーセント以内である」
しかし、それでも床が冷たいと感じる人が居るのも事実なので、
これは「相対温度が3℃以内云々という事ではなく、
絶対温度として床の表面温度が18℃以下になると冷たいと感じる人が居る」
という事になります…………。。。。。
(それともアメリカ人と日本人の差か?)
さて…この問題をどう解決するのか?
先にも書きましたが、
今の仕様のままでは性能的には限界に近づいてきてます…。
もっと精度を上げていくか?
仕様を変えるか?
設備で解消するのか?
それが私の今年の課題です!!
シュッ〆
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