なぜ建設業界に入ったのか

なぜ建設業界に入ったのか
なぜ建設業界に入ったのか
私がなぜ建設業界に入ったのか?
それは当社創業者の父が亡くなったからです。
うちは男3人兄弟で、私は少し歳の離れた末っ子。兄二人が建設業界に身を置いており、真ん中の兄が宮崎建設を継ぐ事に決まっていました。父に「仕事を手伝え」と言われた事が無かったので、(まぁ、後から考えれば『何をやっても良い』と言われた事もありませんでしたが…)私は『末っ子の自分は建築以外の事をやろう』となんとなく思い、しかし常に父の存在は気になっていたので、ただ漠然と『経営者になりたい!』とは思っていました。

大学を卒業し最初に就いた仕事は、たまたま就職情報誌に出ていた「某有名古本屋の店長」。応募の動機は「3ヶ月で店長になれる!」という文句を見たからでした。「いち早く経営者の道に近づけるかも?」という期待があったのだと思います。無知というのは時として恐ろしい力を発揮します・・・。しかしなんとか、素晴らしい上司や同僚にめぐり合い、ブラック?な環境にも恵まれ、それなりの結果は残していました。旗艦店の店長、加盟店様への指導、新業態の立上げと、一通りの経験をさせて頂き、また、さまざまな経営者の方とお話しする機会を得る事が出来ました。

30歳を目の前にし、体力と気力も充実。ささやかな経験と、ささやかな資金も溜まりましたので、会社を退職し、いよいよ自分で会社を起こそうと実家に戻ってきた矢先に、あっという間に父が亡くなってしまいました。
その時には既に兄が社長となり、会社を率いていましたが、父(会長)の抜けた穴は大きく、幸か不幸かその時私も無職だった為、流れに逆らう事無く、建設業界に足を踏み入れたのでした。

どういう気持ちで仕事をしているか
どういう気持ちで仕事をしているか
家業が建設会社だったので、「建築」というものは、自身が成長していく中で、なんとなく理解していた部分はありましたが、「建設業界」で働くという事は初めてでしたので、30歳を過ぎて夜学に通い、一から勉強をし直しました。建設業…若い頃からこの業界で働く気が無く、全く畑違いの仕事をしてきた私には、建設業界は新鮮であり、驚きの連続でもありました。

・朝早くから夜遅くまで休み無く仕事をしている
・生産性が低い
・建築士の地位が低すぎる
・工事価格の何割も値引きをする会社がある
・なんで間に問屋を何社も何社も挟まなければ物が買えないのか?
等々、びっくりする事ばかり。この先何年この仕事が出来るか分かりませんが、いつまで経ってもこの素人目線は無くしてはならないと、心に決めた瞬間でした。

また、「家」というものに対して私の原体験があります。それは、私が20歳の頃に実家を新築した事がきっかけです。何度も言いますが、その頃私は自身の家でも全く建築に興味が無く、学生時代の遊びまわっていた時期でしたので、いつの間にか計画が進み、いつの間にか家が建ち、何となく引越しをしました。そして住み始めてしばらくした頃、幾つか問題が出てきました。

今から考えれば、当社の建物はその当時の基準や考えを大きく上回ってはいたのですが、
『新築なのに冬家が寒い…』という事。そしてもう一つ。その当時大きな話題となっていた『シックハウス』。たまたまなのかもしれませんが、引越ししてからしばらくした時に、私は花粉症になりました。なんの根拠も無く、関連性は無いのかもしれませんが、全くの部外者然として、父に何度か『建築屋なのになんでこんな家作ってんだ!』と言った事があります。若気の至りとはいえ、バカ息子とは私の事です。今私も同じ立場になり、その時の父の気持ちを推し量ると居たたまれないものがありますが、普段は怖い父親のその時の黙りこんだ顔は今でも忘れられません。

今、そして今後も、私が目指しているものは、端的に言うと「安心安全な自然素材住宅」であり、「一年中快適なパッシブデザイン」であり、「省エネルギーな家創り」と言う事になるのですが、それらは「流行りだから」という時勢や経営的な観点ではなく、「今後の日本の住宅のあるべき姿だ」などという大そうな堅苦しいものでもありません。自分が実際に「感じた・暮らした」体験を元に、いろいろと勉強し試行錯誤した結果、ここにたどり着きました。

全ての方が私の考えに共感して頂けるとは思いませんが、私は自分が創った『家』に誇りと自信を持っています。有名建築家の様な斬新なデザインでは無いかもしれません。量産ハウスメーカーの様にローコストでは出来ません。しかし、家族が集い成長していく器である『家』が、健康的で快適であるのは当たり前で、幸せな思い出をいっぱい作っていって欲しいと思います。
商売ですので、当社で設計・施工させて頂ければこれは幸いなのですが、当社で家を建てなくても良いので、家を建てる全てのご家族に不便さや後悔を感じて欲しくないのです。いや、自分の息子に自分が言ったような事を言って欲しくないだけかもしれません。しかし、是非一度当社の建物を見て頂ければと思います。皆さんにとって完璧では無いかもしれませんが、必ず健康・快適・省エネな家創りのヒントが幾つか発見できると思います。当社体験館や現場見学会では、全ての方に全力でご説明いたします。
メリット・デメリットは必ずあります。その事もキチンと納得行くまでご説明致します。

こんな気持ちが今後もブレる事ない私の考えです。自分の体験から出たものなのでブレようがありません。こんな考えに共感してくれる人が増えていき、会社も社員も成長する事が出来るのであれば、こんなに嬉しい事はありません。

宮崎建設 代表取締役 宮崎 功哉


次は現代住宅の問題をご覧ください